このように、傍目を気にせず匿名性に埋もれたり、教師や他の学生との対面性を回避することで、学生はやっと言いたいことが言えるようになるわけです。 相手の顔が見えないということは、相手からも自分が見えないと言うことですので、その分、いつもの自分とは違う自分を演じることが許されることになります。

誰もが変身願望と言うか、いつもの自分とは違うようになってみたいと言う希望はあります。 顔が見えないインターネットは、まさしくこの願望を満たす格好の場なのです。
どちらが本当の自分かと言う議論は、お酒に酔って人格が変わる人のどちらが本当のその人かを議論するようなものですので、ここで結論を出すのは難しいところです。 しかし、ほとんどの人は二面性を持っているといえ、そのことで心のバランスを維持している面は否定できません。
このような匿名性、相手が見えないという側面はインターネットの世界の特性であり、eラーニングにおいても、その特性を十分理解し、それを特徴として生かす仕組みが用意されると同時に、その欠点をカバーするような仕組みと運営体制が不可欠と言えます。 個人と個人がeラーニング上で出会って、信頼関係が構築できたとして、その点と点の関係を面に展開する仕組みが必要です。
「友達の友達は友達」という広がりをどのように作るかということです。 eラーニングに限らず、学校や職場では人間関係は非常に重要です。
その集団内でどのような人間関係ができ上がっているかを知らずに、その集団を良い方向に導くことはできません。 小学校の先生であれば、クラスにどのような小集団ができ、誰と誰が仲良しで、どのグループとどのグループの仲が悪いかといった情報を把握しているはずです。
職場で社員の能力を最大限に発揮するためには、誰と誰を同じチームにすれば良いかは上司にとって大きな悩みです。 最適の組み合わせを作ることができれば、上司の仕事は半分以上成功したようなものです。
この人材の組み合わせは経験によるものだけではありません。 日頃の細かな観察の賜物です。

一人ずつの個性や能力を見極めるとともに、誰と誰が一緒に行動しているのか、どのような会話を交わしているのかを細心の注意をもって見守ることで情報を収集し、それを分析した結果です。 このような複雑に絡み合った人間関係を生かすeラーニングシステムは存在しません。
しかし、掲示板、メールやチャットなどで、受講生はくもの巣のような人間関係を構築しています。

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